NASAの1964年の構想が、なぜいまフィンランドで「空気から作る食料」になったのか
Curated by Ryo
なぜこの記事を選んだか
全く映像もクリエイティブも関係ないですが、「そんなことが科学的に可能なのか!」というメモです。
宇宙時代の構想を現実にする「空気から作る食料」
1964年、NASAの委託を受けた研究者たちは、宇宙空間での食料確保策として、水素を消費する特殊な細菌を用いて高タンパクな物質を生成する手法を提案しました。当時の技術では国際宇宙ステーション(ISS)での実用化には至りませんでしたが、この「閉鎖環境で食料を作る」というアイデアが、いまフィンランドのフードテック企業「Solar Foods」によって現実のものとなっています。
水素を食べる微生物によるタンパク質「Solein」
Solar Foods社が開発したのは、「Solein(ソレイン)」と呼ばれる天然由来のタンパク質原料です。これは、水素を代謝して成長する「水素細菌」を利用して製造されます。同社はバルト海でこのプロセスに適した、攻撃性のない穏やかな性質を持つ微生物を発見し、それをバイオリアクターの中で培養しています。
Soleinは成分の65〜70%がタンパク質で構成されており、鉄分やビタミンB群も含まれています。製造工程では、再生可能エネルギーを用いて水素、アンモニア、酸素、二酸化炭素を供給し、微生物に成長させます。その後、殺菌、濃縮、乾燥を経て、ナッツのような香りがする黄色い粉末状の原料となります。
農業の限界と環境負荷への挑戦
現在、地球上の居住可能地の約半分が農業に利用されており、そのうち80%が家畜の放牧や飼料生産に充てられています。結果として、全居住可能地の40%が動物性食品のために消費されていますが、人類が摂取するカロリーに占める動物性食品の割合はわずか17%に過ぎません。
人口増加に伴い食料需要が高まるなか、森林を破壊して農地を広げるのではなく、土地を必要としない「都市型農場」のような生産体制への移行が求められています。Solar Foodsの工場は、土地の肥沃さや天候に左右されず、再生可能エネルギーさえあれば砂漠やモンゴルのような環境でも建設可能です。
「新しい小麦」として食のシステムに組み込む戦略
同社は、Soleinを単なる「代替肉」などの完結した製品として売るのではなく、既存の食品メーカーが利用する「原材料」として提供する戦略を採っています。
CEOのパシ・ヴァイニッカ氏は、食のシステムに大きな影響を与えるには膨大な量が必要であるとし、既存の普及している製品の成分の一部をSoleinに置き換えるアプローチを重視しています。それは例えるなら「システムに顕著な変化をもたらすが、最終的には食品の中に溶け込む、新しい種類の小麦」のような存在を目指すということです。
消費者が味や価格の変化を感じることなく、企業のサプライチェーンを通じて気候変動への負荷を低減させる。このB2Bモデルこそが、持続可能な食料生産を社会に実装するための現実的なルートであるとされています。
(元記事を AI が要約・抄訳し、島田が選定・編集したものです。原文: https://www.noemamag.com/making-food-out-of-thin-air/ )
Curated by Ryo
島田のコメント
地球上の全居住可能地の40%が動物性食品のために消費されてるって冷静に考えると恐ろしいですね… SF書く時のネタにも使えるかも?